目次
【事例①】授業中の集中困難・落ち着きのなさ(小2男子)
アセスメント情報
- 授業中に立ち歩きや話しかけが頻繁。指示が通りづらい
- 家庭では甘えん坊で、弟とよくケンカ
- 担任は「悪気はないように見える」と話す
- 本人は「怒られるの、やだ」と語る
見立て
- ADHD傾向が疑われるが、家庭や環境要因(甘え・注目されたい)も強い
- 「できない子」と見られることで自己肯定感が低下傾向
- 発達特性+環境反応の複合型と見て支援が必要
🪴 支援の方向性
- スモールステップの目標設定(「〇分座れたらOK」など)
- 教室内の安心基地(「おたすけカード」使用など)
- 教員や家庭への関わり方の工夫(叱るより“できた”を拾う)
【事例②】登校しぶり・母子分離不安(小1女子)
アセスメント情報
- 入学後2週間から「ママといたい」と涙→登校しぶり
- 保健室登校→午前のみ教室で過ごす→午後は帰宅
- 母親は付き添い傾向が強く、「まだ早かったかも」と不安気
見立て
- 母子分離不安型の登校しぶり
- 発達的には自然な反応だが、母親の不安と共鳴して悪循環
- 本人は学校が嫌というより「不安の回避行動」
支援の方向性
- スモールステップでの登校支援(別室→クラス内へ)
- SCと母親との面談を継続し、「手放すこと」への安心を共有
- 本人には「一人でもできた経験」の積み重ねと強化
【事例③】仲間外れ・友人関係の悩み(小4女子)
アセスメント情報
- 最近、クラス内で無視されたと泣いて保健室へ
- 担任は「女子同士のグループ変化でついていけない様子」
- 本人は「なんで私だけ」と不信感が強い
- 母親は「もともと内向的。でも最近は寝るのも遅い」と語る
見立て
- 対人敏感性が高く、集団内の関係変化に過敏に反応
- グループ内の力関係や微妙な空気に傷つきやすい
- 自尊心が揺れ、登校しぶりにつながる可能性あり
🪴 支援の方向性
- 面接で「つらさ」「どうなってほしいか」の整理(感情を言語化)
- 人間関係の複雑さを認知的に整理する支援(人間関係マップなど)
- 担任と連携し、「孤立しにくい場面作り」(係活動など)を工夫
【事例④】きょうだいトラブルと家庭内ストレス(小5男子)
🟧 アセスメント情報
- 家で弟を叩くなどの暴力→学校では大人しい
- 担任から「最近表情が暗い。聞いても話してくれない」と相談
- 母親は「自分が叱ると黙ってしまう。夫はあまり関与せず」
- 本人は面接時「別に…」と受け身だが、絵やマンガを描くのは好き
🔍 見立て
- 家庭内ストレスを内在化しており、感情表現が苦手
- 学校では「いい子」を演じ、外では発散できないタイプ
- 感情の出し方・表現の仕方を学ぶ必要あり
支援の方向性
- 絵や物語を使った表現的支援(おはなしづくり、感情ぬり絵)
- 小さな「自分の気持ちを言う練習」から開始
- 家庭には「否定せず聞く」「共感の言葉かけ」を提案
このように、アセスメント→見立て→支援の方向性という流れを明確にしておくと、担任や保護者との連携もスムーズです◎