高校生になるとさらに「自立性」や「将来への不安」「進路の悩み」などが出てくるので、より対等な関わりや対話の深さが求められる支援になります。
以下に、高校生向けの
- 個別支援計画フォーマット+記入例
- 経過記録の具体例
をまとめました👇
目次
📄【個別の支援計画(高校生版)】フォーマット&記入
■ 対象生徒情報
- 氏名:Sさん(仮名)
- 学年:高校2年
- 支援開始日:令和〇年6月5日
- 担当:スクールカウンセラー ○○
■ 支援の目的
進路や人間関係に不安を感じており、教室内で孤立している様子があるSさんに対して、自己理解と自己表現力の向上を支援し、安心して学校生活を送れるようにする。また進路選択に対して前向きな視点を持てるよう伴走する。
■ アセスメント概要
- 授業中は静かだが、友人との関わりが乏しく、孤立気味
- 進路面談で「自分には何もできない」と語る
- 本人は「周りがすごく見えて、自分が情けなくなる」と自己評価が低い
- 保護者は「家では元気に話すが、学校がしんどそう」とのこと
■ 具体的な支援目標と内容
支援目標 | 具体的支援内容 | 期間 | 担当 |
---|---|---|---|
自己理解・自己受容を促す | ジャーナリング、ライフライン、強み探しワークなどを活用 | 6月〜8月 | SC |
自己表現力の向上 | ロールプレイや会話練習で、自分の気持ちや考えを言葉にする練習 | 7月〜継続 | SC |
進路不安へのサポート | 進路指導教員と連携し、価値観ワーク・職業興味検査などを実施 | 6月〜継続 | SC、進路担当 |
■ モニタリング・評価
- 月1回SC・担任・進路指導教員の3者で情報共有
- 本人の希望に応じて、支援の内容・方法を柔軟に変更
- 状況により進学・就職相談への接続やキャリアセンターとの連携も検討
📘【経過記録】例
【経過記録:6月12日】
■ 面接内容(第1回)
- 静かに話すが、質問には誠実に答える
- 「最近、気持ちが沈むことが増えた。将来がこわい」と語る
- 自己肯定感チェック(10項目簡易版)を使用→「自信がない」が大半
- 自分の好きなことを3つ書くワークに取り組んでもらい、少しずつ表情が和らぐ
■ 対応
- 次回「ライフラインチャート(人生の山と谷)」に取り組む予定
- 学級担任にも本人の意欲に応じた柔軟な関わりを依頼
【経過記録:6月26日】

- 「ライフラインチャート」で過去の頑張りや嬉しかった経験を語る
- 「実は中学の時に友達にノートを褒められたのが嬉しかった」など、ポジティブな記憶も引き出せた
- 「過去は悪くなかった。未来もどうにかなるかも」と少し前向きな発言
高校生支援では、「評価されることへの敏感さ」や「自己存在の不安」を汲みつつ、
小さな達成体験を一緒に積み重ねる支援がカギです。