スクールカウンセラーとしての実践に役立つよう、以下に 具体的なケース例と記録の書き方 を紹介します。実際の現場でも使えるよう、現実的なスタイルでまとめます。参考にしてください。
目次
🗂️ ケース例(小学6年生・男子)
■ 児童基本情報
- 氏名:Kくん(仮名)
- 学年:小学6年生
- 担任:〇〇先生
- 主訴:授業中に注意されることが多く、友人関係でもトラブルが見られる
📝 アセスメント記録の書き方(例)
1.相談の経緯(きっかけ)
担任より「授業中に集中できず、他児との私語や立ち歩きが目立つ。また、友人とのトラブルが増えてきた」との相談あり。最近、放課後に友人との口論から手が出る場面も見られ、情緒面の不安が懸念される。
2.情報収集・観察
● 本人面接(第1回/4月10日)
- 表情はやや不安定。椅子に座っても落ち着きがなく、視線が定まらない
- 「〇〇くん(友人)がうるさいからイライラする」「勉強はつまらない」と語る
- 自分が悪いことは分かっているが、「ムカッとすると止まらない」と話す
● 教師・保護者からの情報
- 担任:「学習理解は平均的。情緒の波が大きく、切り替えが苦手」
- 保護者:「家では比較的落ち着いているが、弟と喧嘩が多い。ゲーム時間が長い」
- 家庭状況:両親共働きで、帰宅後は祖母が対応することが多い
3.見立て(仮説)
- 対人関係のストレスや自己主張の未熟さにより、怒りが行動化している可能性
- 家庭や学校でのサポートが十分に機能していない状況下での情緒不安定
- 注意・感情のコントロールの課題(ADHD傾向やASDの可能性含めて今後の見極めが必要)
4.支援方針
- 担任と連携し、怒りの感情を言葉で表現できるよう個別指導(週1回)
- 感情日記や気持ちカードを用いた感情整理支援
- 家庭ではゲームのルール見直しと、祖母への関わり方の工夫を保護者へ提案
- 必要に応じて、教育相談センターなどへの紹介も検討
5.今後の予定
- 週1回の個別支援(面接)を継続
- 月1回の担任・SC・保護者の三者連携会議の実施を提案
- 3ヶ月後に経過を振り返り、必要があれば専門機関への接続も視野に入れる
このようなスタイルで記録しておくと、支援の一貫性や他職種との連携もしやすくなります。