スクールカウンセラーが行う「見立て」や「アセスメント」は、児童・生徒の問題の背景を理解し、適切な支援方針を立てるために欠かせないプロセスです。以下に、見立て・アセスメントのやり方と具体的な例をご紹介します。
目次
🔍 アセスメントのやり方(基本ステップ)
1. 情報収集
- 対象者からの面接(児童・生徒本人)
- 保護者との面談
- 教師からの情報
- 行動観察(授業・休み時間など)
- チェックリスト・質問紙(例:CBCL、YSR、投影法など)
2. 問題の把握と整理
- どのような問題があるか(行動、情緒、学習、対人など)
- 問題がいつ、どこで、誰といるときに起きるか
- 問題の頻度・強度・持続時間
3. 仮説立て(見立て)
- 問題の背景にある心理的・社会的要因は何か
- 発達段階、家庭環境、学校環境、本人の性格などを踏まえて、総合的に考える
4. 支援方針の検討
- 短期・中期・長期の支援計画を立てる
- 本人、家庭、学校への具体的な関わり方を決める
🧠 見立て・アセスメントの例
▶ 例:小学校5年生 男児(Aくん)
【教師からの情報】
- 授業中に集中できず、立ち歩きが多い
- 友人とトラブルが多く、怒りっぽい
【本人との面接】
- 「勉強はつまらない」「先生は怒ってばかり」
- 家でゲームをして夜更かし気味
【保護者からの情報】
- 母子家庭、母は夜勤が多く不在がち
- 最近引っ越して転校したばかり
【見立て】
- 環境の変化(転校・家庭の不在)による情緒不安定さ
- 愛着の不安やストレスによる行動化(立ち歩き、怒り)
【支援方針】
- 担任と協力して「安心できる環境づくり」
- 心のコントロールスキル(アンガーマネジメントなど)支援
- 保護者との連携支援(可能なら地域支援の紹介も)
私自身、スクールカウンセラーなりたての頃、見立て・アセスメントの部分に苦戦しました。
こちらの本はとても分かりやすく勉強になったのでお勧めです。

見立て・アセスメントの重要性が分かります。