思春期の子どもの心理:特徴と対応のポイント
思春期(一般的に10歳~18歳頃)は、心と体が大きく変化する時期であり、感情が不安定になったり、自分自身や周囲との関係に悩むことが増えます。ここでは、思春期の子どもの心理について詳しく解説し、それに対する適切な対応のポイントを紹介します。
① 思春期の主な心理的特徴
- 自我の確立とアイデンティティの模索
「自分は何者なのか?」を強く意識し始める
大人でも子どもでもない中途半端な立場に葛藤を抱える
自分らしさを求めて、外見や趣味、価値観にこだわることがある
🔹 どんな影響がある?
✅ 親や教師の価値観に反発しやすくなる
✅ 「周りの目」を過度に気にし、承認欲求が強まる
✅ 「誰とも違う自分」を求める一方で、「仲間と同じでいたい」という矛盾した感情を抱く
🔹 適切な関わり方
✔ 無理に大人の価値観を押しつけず、「あなたはどう思う?」と考えを尊重する
✔ 「変わりたい」「試してみたい」という気持ちを否定しない
- 感情の起伏が激しくなり、衝動的になる
ホルモンの影響もあり、イライラや不安が強くなる
ちょっとしたことで怒ったり、落ち込んだりする
理性より感情が先行しやすく、後先を考えず行動してしまう
🔹 どんな影響がある?
✅ 友人や家族とのトラブルが増える
✅ リストカットや過食・拒食などの自傷行為につながることもある
✅ 「どうせ自分なんて…」と悲観的になりやすい
🔹 適切な関わり方
✔ 「そんなことで怒るな」ではなく、「今すごく嫌な気持ちなんだね」と気持ちを受け止める
✔ 「落ち着いて話そう」と言われると逆効果なので、クールダウンする時間を与える
- 親や大人への反発が強くなる
自立したい気持ちが芽生え、親や教師の指示に反抗しやすくなる
それまで仲が良かった親子関係がギクシャクしがち
「ほっといて」「わかってくれない」と距離を取ろうとする
🔹 どんな影響がある?
✅ 家族との会話が減る(特に親とは話したがらなくなる)
✅ 「学校の先生はウザい」「口うるさい」と感じやすい
✅ ルールや規則を守ることを嫌がり、大人の目を盗んで行動する
🔹 適切な関わり方
✔ 「言うことを聞かせよう」とすると逆効果、ある程度の自由を認めることが大事
✔ 過干渉にならず、「いつでも話せるよ」というスタンスで見守る
- 友人関係が最優先になり、孤独を恐れる
家族より友達との時間を優先するようになる
「グループの中で浮いていないか?」を気にしやすい
SNSの影響もあり、人間関係の悩みが深刻化しやすい
🔹 どんな影響がある?
✅ 「みんなと一緒じゃなきゃダメ」という同調圧力を感じる
✅ 友達とのちょっとしたトラブルで、絶望感を抱くこともある
✅ SNSのトラブル(悪口、仲間外れ)に巻き込まれやすい
🔹 適切な関わり方
✔ 友達関係で悩んでいるときは、「それは気になるよね」と共感し、無理に解決策を押しつけない
✔ 「本当に大切な友達ってどんな人かな?」と考えるヒントを与える
- 将来への不安が強まる
進路や将来のことを考える機会が増え、不安を感じやすい
「自分は何ができるんだろう?」「このままで大丈夫かな?」という漠然とした不安がある
大人から「勉強しなさい」「進路を決めなさい」と言われるとプレッシャーを感じる
🔹 どんな影響がある?
✅ 「将来が見えない」と焦り、自己肯定感が低下する
✅ 「どうせ自分なんて」と思い、努力する気力をなくすことがある
✅ 親や先生の期待がプレッシャーになり、拒否反応を示すことも
🔹 適切な関わり方
✔ 「何になりたい?」と無理に決めさせず、「どんなことが好き?」と関心のあることを広げる
✔ 「どんな未来でもあなたは大丈夫」と安心感を与える
② 思春期の子どもと関わるときの基本ポイント
✅ 1. 否定せずに、まず受け止める
「そんなことで悩んでるの?」ではなく、「そう思うんだね」と受け入れる
✅ 2. 価値観を押しつけない
「こうしなさい!」ではなく、「こういう考え方もあるよ」と選択肢を示す
✅ 3. 過干渉にならず、見守る
「何してるの?」と詮索せず、「困ったらいつでも話してね」と伝える
✅ 4. ルールは必要だが、柔軟に対応する
完全に自由にすると不安定になるため、「ここは守ってほしい」と伝える(例:帰宅時間、スマホの使い方など)
✅ 5. いつでも安心して戻れる場所を作る
学校や家庭が「いつでも戻れる場所」と感じられるよう、信頼関係を大切にする
③ まとめ
✅ 思春期の子どもは、自立と依存の間で葛藤している
✅ 感情の起伏が激しく、衝動的になりやすい
✅ 友人関係を最優先し、孤独を恐れる
✅ 将来への不安を抱えやすいが、無理に答えを出させない
✅ 大人は過干渉にならず、安心できる存在でいることが大切
思春期の子どもは、親や大人に対して「うるさい」「ほっといて」と言うことがあっても、本当は見守ってほしい、安心したいという気持ちを持っています。焦らず、長い目で関わることが大切です。