スクールカウンセラーとして、保護者に子どもを病院へ連れて行くよう促す際は、慎重かつ丁寧な伝え方が求められます。保護者が抵抗感を持たないよう、適切な理由と安心感を伝えることが大切です。
目次
保護者が病院受診をためらう理由を理解する
病院に行くことをためらう保護者の理由として、以下のようなものが考えられます。
- 「うちの子は普通だと思う」(病気とは思いたくない)
- 「病院に行くとレッテルを貼られそうで不安」
- 「何を相談すればいいのかわからない」
- 「忙しくて時間が取れない」
こうした不安を和らげるような言葉をかけることが大切です。
受診を勧めるときの基本的なポイント
✅ 「診断を受けること=特別なこと」ではないと伝える
→ 「病気かどうかを決めるのではなく、お子さんがより楽に過ごせる方法を探すためのものです。」
✅ 「早めの相談がメリットになる」と説明する
→ 「困っていることが小さいうちに対処すると、お子さんが過ごしやすくなります。」
✅ 「診察=投薬や治療とは限らない」ことを伝える
→ 「まずはお話をするだけでもいいので、一度相談してみませんか?」
✅ 専門家の意見を活用する
→ 「最近は、○○のような相談で専門機関を利用する方も増えていますよ。」(他の保護者も活用していることを伝える)
シチュエーション別の具体的な伝え方
① 発達の遅れが疑われる場合(ASD・ADHDなど)
❌ NG例:「発達障害かもしれないので病院に行ってください。」
✅ 良い伝え方:「お子さんの特性を理解することで、より良いサポートができるかもしれません。」
➡ 「最近、お子さんが授業中に集中しにくかったり、お友達とのやりとりで困っている様子はありますか?」
➡ 「発達の特性について専門の先生に相談することで、日常生活のヒントが得られることもありますよ。」
② 不登校や強い不安がある場合
❌ NG例:「精神的な問題があるかもしれないので病院に行ってください。」
✅ 良い伝え方:「お子さんの気持ちを楽にするための方法を一緒に探しませんか?」
➡ 「学校に行くことが負担になっているようですね。親御さんもご心配だと思います。」
➡ 「心の専門家に相談することで、お子さんがもっと安心できる方法が見つかることもあります。」
➡ 「最近は、こういった相談をされる方も増えているので、気軽に受診している方も多いですよ。」
③ 強いストレスや情緒不安定がある場合(うつ・適応障害の疑い)
❌ NG例:「メンタルの問題かもしれないので病院に行ってください。」
✅ 良い伝え方:「専門家と話すことで、お子さんが少しでも楽になるかもしれません。」
➡ 「最近、すごく気持ちが不安定になることが増えていますね。」
➡ 「もしかすると、ストレスが影響しているのかもしれません。専門の先生と話してみることで、お子さんに合ったサポートができるかもしれませんよ。」

受診へのハードルを下げる言い方
保護者が「病院は大げさ」と感じることもあるため、次のような言い方でハードルを下げます。
💡 例:気軽に相談できる印象を持たせる
- 「病院というよりも、気軽な相談先として考えてみてください。」
- 「一度相談してみて、必要なければそのまま様子を見てもいいと思います。」
- 「初回はお話を聞いてもらうだけでもいいんですよ。」
保護者に具体的な行動を促す
保護者が受診を決意しやすいように、次のように具体的な行動を提案します。
✅ 「〇〇(地域の児童精神科や専門機関)では、こういった相談を受けていますよ。」
✅ 「〇〇センターに電話してみると、どんな相談ができるか教えてくれます。」
✅ 「学校の先生と一緒に、相談先を探してみるのもいいですね。」
受診後のフォロー
病院を受診した後も、保護者が「行ってよかった」と思えるようなフォローが大切です。
「相談してみて、どんなお話がありましたか?」(受診結果を確認)
「お子さんにとって、どんなサポートが良さそうでしたか?」(次のステップを一緒に考える)
「また気になることがあれば、いつでもお話ししてくださいね。」(継続的な支援を伝える)
まとめ:病院へ誘導する際のポイント
✅ 病気かどうかの診断ではなく、子どもをサポートするための相談であることを伝える
✅ 「今すぐ治療が必要」ではなく、「話を聞いてもらうことが第一歩」と安心させる
✅ 「最近はこういう相談をする方が増えていますよ」と、ハードルを下げる
✅ 保護者が行動しやすいように、具体的な相談先や手順を提案する
保護者の心理に寄り添いながら、無理に押し付けず、安心感を持って受診につなげることが大切です。