認知行動療法(CBT)は、思考(認知)と行動のパターンを変えることで、気分や感情の改善を目指す心理療法です。ここでは、CBTの基本的な進め方と具体的な技法を詳しく解説します。
認知行動療法の基本的な流れ

CBTは以下のような流れで進められます。
① 問題の特定
最初に、自分がどのような状況でストレスや不安を感じているかを明確にします。
いつ、どんなときにネガティブな感情が生じるか?
そのとき、どのような考えや行動をしているか?
方法::日記をつける(例:気分・出来事・考えたことを記録)
質問に答える(「何がきっかけだった?」「どんな気持ちになった?」)
② 認知の歪みを見つける
私たちは状況を判断するとき、偏った考え方(認知の歪み)をしがちです。CBTでは、この「考え方の癖」を客観的に分析します。
代表的な認知の歪み:
- 全か無か思考 「絶対に失敗する」「完璧にできなければ意味がない」
- 一般化のしすぎ:「一度失敗したから、もうダメだ」
- マイナス思考:「どうせ私には無理」
- 感情的決めつけ:「不安だから、これは絶対に悪いことだ」
- すべき思考:「〇〇すべきだったのに…」
【方法】
- ネガティブな考えを書き出す
- その考えが本当に正しいか検討する(「証拠はある?」)
認知の歪みを見つけたら、より現実的で柔軟な考え方に置き換えます。
③ 考え方を修正する
【方法】
- 根拠を探す:「本当にそうなのか?」
- 別の見方を考える:「他の可能性はないか?」
- 友達に言うならどう言う?:「友達が同じことを言ったら、どうアドバイスする?」
例
「プレゼンが失敗した、私はダメだ」
→「本当にダメだった? 良かった点もあったのでは?」
「またミスをした、もう無理だ」
→「誰でもミスはする。次にどう改善できる?」
④ 行動を変える
考え方を変えるだけでなく、新しい行動を試してみることで気分を改善します。
方法:
- エクスポージャー(曝露療法):不安な状況に少しずつ慣れる
- 行動活性化:気分が落ち込んでいるときに、少しでも楽しいことをする
- 役割変更:他の人の立場になって考えてみる
例
「人と話すのが怖い」→ 少しずつ短時間の会話から練習する
「何もやる気が起きない」→ 1分だけ散歩する、好きな音楽を聴く
CBTの具体的な技法

認知再構成法
ネガティブな考えを客観的に見直し、より適応的な思考に置き換える方法。
やり方
「今、どんな考えをしている?」(自動思考)
「それは本当に正しい?」(証拠を探す)
「他の考え方はないか?」(柔軟な思考)
曝露療法(エクスポージャー)
恐怖や不安を感じる状況を避けず、少しずつ慣れていく方法。
例
高所恐怖症 → 低い場所から少しずつ慣れる
人前で話すのが苦手 → 少人数の前で話す練習をする
行動活性化
落ち込んでいるときに、小さな行動から始めて気分を改善する方法。
方法
「気分が良くなる行動リスト」を作る(散歩、読書、音楽など)
1日1つだけでも実行する
ソクラテス式問答
自分の考えに疑問を持ち、別の視点を探すための質問をする方法。
例:
「その考えは事実に基づいている?」
「友達が同じことを言ったら、私は何と言う?」
「もし最悪の事態が起こったら、どう対処できる?」
マインドフルネス
今この瞬間に意識を向け、感情を受け入れるトレーニング。
方法:
呼吸に意識を向ける(深呼吸)
「今ここ」に集中する(食事、歩行時に感覚を意識)
まとめ:CBTを習慣化するために

✓ 毎日の実践ポイント
①気分や考えを記録する(「どんな考えをしたか?」)
②考え方を見直す(「本当にそうなのか?」)
③小さな行動から始める(「少しずつできることを試す」)
CBTは継続が大切です。無理のない範囲で少しずつ実践し、思考と行動の習慣を変えていきましょう!