自殺の危険を抱えている人を支援するときには、【傾聴】することが大切です。そして、
悩む人のことを理解しようとするときに、自殺を考えている人の心理を知ることが重要
です。
自殺を考えている人の心理
①絶望感「もうどうすることもできない」と絶望する気持ち。
②孤立感:「誰も助けてくれない」、「自分はひとりきりだ」と孤独を感じる気持ち。
③悲嘆:「悲しい」と思う気持ち。
④焦燥感:「いますぐに何とかしないといけない」と焦る気持ち。
⑤衝動性:切迫して、すぐさま自殺行動や危険行動をしかねない状態。
⑥強い苦痛感:「苦しい」、「辛い」と思う気持ち。
⑦無価値感:「生きる価値がない」、「生きる意味がない」、「自分なんかいない方いい」
と自分に価値がないと感じる気持ち。
⑧怒り:他者や社会に対して強いいきどおりを感じる気持ち。
⑨投影:自分の感じている気持ちを、まるで相手が感じているかのように考える。相
手は本人が悪いとは思っていないのにもかかわらず、「どうせ私が悪いって思って
いるんでしょ」と考える等。
⑩柔軟性がない考え方:幅広い視点で考えられず、「自殺以外に解決法はない」、「問
題は解決できない」などと考えること。
⑪否認:現実のことを認めることができない状態。
⑫将来の希望がないという見通しのなさ:「どんなことをしても何もかわらない」、「こ
の辛さはいつまでも続く」と考えること。
⑬諦め:「もうどうなってもかまわない」、「もうどうすることもできない」とあきら
めてしまうこと。
⑭解離:普段の意識状態ではなくなり、今ある現実と考えや気持ちに断絶が起きてい
る状態。「何をしたのか覚えていない」、「周りの状態に対して現実感がない」等。
⑮両価性:「生きたい」という気持ちと、「死ぬしかない」という気持ちをゆれうごく
状態。
⑯自殺念慮:「死にたい」、「この世からいなくなりたい」など自殺するしか解決する
方法はないという考え。
時に自殺の危険性がある人が、「助けてくれなくていい」、「誰も信じられない」、「お
前に何がわかる」、「……(無言)」、「死なせてくれ」と話し、援助を拒否することがあ
ります。
しかし、支援者は、自殺を考えている人の背景にこのような心理状態がある可能性を
踏まえて対応することが大切です。
参考:厚生労働省HP