スクールカウンセラーは勤務校により、予約の仕方、カウンセリング時間、1日の流れが異なります。
あくまで私の経験ですが1日の流れやお仕事をご紹介いたします。
スクールカウンセラーのお仕事内容
- 児童生徒へのカウンセリング
- カウンセリング等に関する教職員及び保護者への助言及び援助
- 児童生徒のカウンセリング等に関する情報収集
- お便り作成
- 授業観察
- コンサルテーション
- 報告書作成
※何より大事なのが先生方とのコミュニケーションです。先生方とコミュニケーションが円滑に取れていない場合、気になる生徒や保護者の情報がスクールカウンセラーまで来ない場合があります。
現在【チーム学校】というワードがよく使われています。
文部科学省が発表している「チームとしての学校」の在り方
これからの学校が教育課程の改善等を実現し、複雑化・多様化した課題を解決していくためには、学校の組織としての在り方や、学校の組織文化に基づく業務の在り方などを見直し、「チームとしての学校」を作り上げていくことが大切である。
そのため、現在、配置されている教員に加えて、多様な専門性を持つ職員の配置を進めるとともに、教員と多様な専門性を持つ職員が一つのチームとして、それぞれの専門性を生かして、連携、協働することができるよう、管理職のリーダーシップや校務の在り方、教職員の働き方の見直しを行うことが必要である。また、「チームとしての学校」が成果を上げるためには、必要な教職員の配置と、学校や教職員のマネジメント、組織文化等の改革に一体的に取り組まなければならない。
「チームとしての学校」像
校長のリーダーシップの下、カリキュラム、日々の教育活動、学校の資源が一体的にマネジメントされ、教職員や学校内の多様な人材が、それぞれの専門性を生かして能力を発揮し、子供たちに必要な資質・能力を確実に身に付けさせることができる学校
今後、「チームとしての学校」を実現するためには、以下の3つの視点に沿って検討を行い、学校のマネジメントモデルの転換を図っていくことが必要である。
- 専門性に基づくチーム体制の構築
これからの学校に必要な教職員、専門能力スタッフ等の配置を進めるとともに、教員が授業等の専門性を高めることができる体制や、専門能力スタッフ等が自らの専門性を発揮できるような連携、分担の体制を整備する。 - 学校のマネジメント機能の強化
教職員や専門能力スタッフ等の多職種で組織される学校がチームとして機能するよう、管理職のリーダーシップや学校のマネジメントの在り方等について検討を行い、校長がリーダーシップを発揮できるような体制の整備や、学校内の分掌や委員会等の活動を調整して、学校の教育目標の下に学校全体を動かしていく機能の強化等を進める。 - 教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備
教職員や専門能力スタッフ等の多職種で組織される学校において、教職員一人一人が力を発揮し、更に伸ばしていけるよう、学校の組織文化も含めて、見直しを検討し、人材育成や業務改善等の取組を進める。
生徒を支援するためには1人で抱え込まずチーム全体で役割を明確化し取り組んでいくことが大切です。また支援する人が1人で抱え込んでしまった場合、精神的に負荷がとてもかかります。支援者の負担を軽減させるためにも人との共有はとても重要です。
1日の仕事の流れ
【例:7時間45分勤務の場合】
8:30 出勤、情報共有
1校時 カウンセリング
2校時 カウンセリング
中休み 子供たちが遊びに来たり、休み時間もカウンセリングが入っていればカウンセリング
3校時 カウンセリング
4校時 カウンセリング
お昼休憩
お昼休み 子供たちが遊びに来たり、お昼休みもカウンセリングが入っていればカウンセリング
5校時 カウンセリング
放課後 カウンセリング
先生と情報共有
報告書作成
17:00 勤務終了
小学校の場合、カウンセリング時間に遊びを通して気持ちを落ち着かせたり切り替えたりすることもあります。
私はよく人生ゲームやオセロ、トランプ、塗り絵、折り紙、一緒に体を動かす等をしながら会話をしています。
初めは子供たちが警戒していることもあるので悩みを無理にきこうとはせず、信頼関係を築くことから始めています。安心できる場の提供を心がけています。信頼関係が築けてくると子供たちから自己開示してくれるようになるので焦らず関りを持っていきましょう。
【例:6時間勤務の場合】
9:00 出勤 情報共有
2校時 カウンセリング
3校時 カウンセリング
4校時 カウンセリング
お昼は子供と一緒に給食を食べる
5校時カウンセリング
14:30 情報整理 情報共有 コンサルテーション
15:00 勤務終了
カウンセリング予約が入っていない時間にはお便り作成や授業観察、先生方とコミュニケーションをとるなど臨機応変に対応します。
勤務校によってはカウンセリング予約があまり入らない学校もあります。
そのため予約が入らない学校では生徒が相談しやすくなるためにはどうするのか、学校任せにするのではなく自ら考え行動するように心がけましょう。
・勤務校により、カウンセリングの予約状況が多いところ少ないところがあります。
・小学校は保護者の相談が中学校、高校に比べてとても多いです。
・予約0という日もあるかもしれません。その時に相談室に閉じこもり何もしないのは時間の無駄です。
私が初めてスクールカウンセラーとして働かせて頂いた学校は、スクールカウンセラーの活用があまりないところでした。初めのころは誰からも頼られず、カウンセリングもほとんど入らない状況で孤独を感じていました。スクールカウンセラーとしての仕事を理解している人がおらず誰に聞いても「分からない」という状況でした。とても苦労しました。学校自体もスクールカウンセラーと連携をするという認識があまりなく、相談は先生方が請け負っていました。
その状況で私は心がけたことは、まず先生方と会話をすること。先生方との信頼関係を築くことに努めました。先生方の連携は欠かせません。
また学校内でスクールカウンセラーという存在をアピールするために、お便り作成やクラスを見回るなど自分の存在を知ってもらうことにも力を入れました。
スクールカウンセラー2年目には全校集会で「相談することの大切さ」を話したこともあります。
それほどスクールカウンセラーの存在を周知するということは大切なことです。
その結果、徐々に相談件数が増えていき、今ではありがたいことに忙しく働かせて頂いてます。
また困っときはスーパーバイザーさんに相談です!!難しい案件や自分の力では対処できないことなど1人で抱え込んでいても解決しません。生徒のためにより良い支援のために、周りに頼ることも必要です。
スクールカウンセラー1年目は右も左も分からず苦労するかもしれません。
しかし経験を積むうちに勤務校が変わってもある程度対応できるようになってきます。
初めから完璧に仕事をこなせる人はいません。「私には向いていない」と思わず、自分にできることをみつけチャレンジしていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。